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Fig インタビュー

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#3

蜜月 稀葵

Dancer

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蜜月稀葵 プロフィール

舞踊家。 ベリーダンスを軸として音楽に身を任せ自由な解釈で踊る。 ベリーダンスを松屋伊那子、Medhat fahmy に師事。 様々な芸術家と関わりが深く、数々の作家、音楽家の作品に参加。ロンドン、サンフランシスコ、ニューヨークなど海外の舞台にも出演。 自らも舞台作品の創作に取り組み2009年『錬金』を発表。 近年は、「音と身体」に重きをおいた表現へ。 あらゆる音楽からのインスピレーションで踊りを創造。 ダンスカンパニーCamale hoju( カマレホウジュ ) 主宰。東京・銀座のアトリエを開放し指導も行う

URL: http://www.camalehoju.jp/

Fig:今日は宜しくお願いします!
早速ですが私がインタビューの際にする定番の質問なのですが、
昔から体は柔らかかったのですか?

蜜月稀葵 ▼ううん、本当に普通。足も速くないし、むしろ遅いし運動神経がいいわけではなかった

Fig:えぇ、、、じゃぁあの身体というか表現の柔らかさってどこからきているのでしょう?

▼それは舞踏のお友達がきっかけで通うようになった「飛龍会」のお陰かもしれないです。「飛龍会(HP)」。

Fig:あ、そうそう、もともと稀葵さんってベリーダンスを始める前に舞踏をやっていたと聞きました。どのようないきさつで舞踏からベリーダンスに移行したのですか?

▼昔、たまたま遊びに行ったクラブで見た映像にベリーダンサーが映っていて、とっても素敵で習いたくなったの。そのダンサーを紹介して頂いて、その方に何度か連絡したけど連絡がつかなくて諦めた。その後に「山海塾」の蝉丸さんの合宿があるのを知って合宿に参加。でも、しばらくお稽古する中で、舞踏に対する自分の答えが出てしまって、フェードアウト。そして制作スタッフになっていた。
今度はベリーダンスを始めてみようと思い立って、松屋伊那子先生のレッスン体験に行ったのがベリーダンスの始まり。
始めは週1回からで、母が亡くなるなどいろいろあって、その後になぜかスイッチが入って、毎日お稽古をするようになってた。

Fig:稀葵さんって普段からもの凄い量のお稽古をしているイメージがありますが、それはやはり山海塾(舞踏)というお稽古して当たり前な世界を見てきたから?ベリーダンスやる前に山海塾(舞踏)という世界を覗いていなかったらベリーダンス(踊り)に対する考え方やモチベーションは違っていたかもしれないですか?

▼山海塾(舞踏)で一番学んだのは精神性。そして、重力のと関わり。
身体の事はもともと興味があったのと、ベリーダンスのテクニックを初めて見た時に、身体が出来上がってないと大変な事になると思ったから。
もし山海塾に出会っていなかったら、踊りの事をなめてかかっていたかもしれないし、身体開発の重要性に気が付かないままベリーダンスをやっていたと思う。
全ては、山海塾に出会ったお陰。飛龍会に出会えたのも山海塾時代のスタッフ仲間の紹介だったから本当に感謝。

Fig:一日どれくらいお稽古されていますか?

▼今はレッスン含めて平均6時間くらい。もっとアトリエに篭っている時もある。
ただ今は無理をすると、登山で痛めた膝が痛くなるので、痛みが出始めたら無理はしないで、美しい音楽を聴いたり、絵を見たりしして想像する時間を多く取るようにしてる。
でも即興のお稽古は楽しすぎて一度やると止まらなくなるので、終電を逃してタクシーで帰る事も度々。
お稽古するのは全然大変とは思ってなくて、もっと素敵に踊りたいから今でも必死。
昔は、会社員を続けながら毎日お稽古。睡眠時間は3〜4時間。毎日気絶して寝ていました。
今は全ての時間を踊りに注ぐ事が出来るから幸せな環境。

Fig:独立されるまえは松屋伊那子先生の所に居たそうですが、そこで学んだ事はどんな事ですか?

▼当時、先生のレッスンは基礎稽古がなかったので、自分で研究をしていかないと上達しなかった。振付も必死で覚えないと稽古にならない。すべてがとても楽しかった。
イナコ先生が仰ってくださった言葉で印象的なのは「JAZZのように踊る」。JAZZって音楽のJAZZです。今でもこの言葉を噛みしめながらお稽古しています。
そして、床の踏み方。当時先生から言われた言葉が今やっとわかってきた気がします。

Fig:表現力といえば私も壁にぶち当たりまくっているのですが、具体的に表現力を上げるためにおすすめできる事があれば是非教えてください。

▼何をすれば表現力が上がるかは人それぞれ。音楽が表現力を導いてくれるかもしれないし、絵が導いてくれるかもしれない。
いろんな所からキャッチする為に、普段から本物で美しいものに沢山囲まれたほうがいいと思う。空間とかラインとか音とかにおいとか。人とのご縁も。
今まで自分が生きて来て、見て感じて体験してきた事の蓄えが、今の現在の身体を通して出てきたものがそれ。前世の分もあるから年齢は関係ない。
蓄えられたものが自分の中から溢れ出ていて、それをちゃんと俯瞰する自分もいて暴走しないように見張っている。興奮と冷静が同時に存在している感じ。
そして、自分が目指す踊りをする為にもっと身体のあらゆる動きが欲しい。
だからその為に沢山のお稽古する。
で、最近体について一番大事だと感じているのは「骨」。
骨の一個一個すべてのパーツの可動を最大限まで上げる、例えば背骨一個一個までコントロールできるようになったらさらに深い感情が表現できる。

骨の位置も大切だと思う。

あとは素晴らしい音楽との出会い。
お稽古量は謙虚さの表れ。

お稽古や芸術への敬意のはらい方、向かい方によって身体が変わる。
仕方なくやっている、やらされているお稽古はいくらやっても身体へは浸透しない。
謙虚で情熱的、積極的な気持ちで向き合うと細胞一つ一つが喜んですぐに身体は覚えてくれる。向かい方は大切。

Fig:確かに稀葵さんのお稽古を受けてみて、基礎をすごく大事にしているって思いました。

▼基本的な事が出来ていないと、越えられない壁が来る。
踊る身体のフィジカル的な基礎と、メンタル的な基礎。
自分の踊りのイメージがどこにあるか。このイメージで稽古の方向が決まるから。
飛龍会で学んだ事ですが、身体のピークは60歳。
60歳まではまだ何十年かあるわけだから、そこをピークに持っていければいいと思って稽古しています。

Fig:じゃぁ歳を取る事が全然怖くないと?

▼まったく怖くないです。
20歳と30歳と40歳、50歳と各年代で聞こえてくる音は絶対に違うはず。若いときには派手な音を拾っているけど、年を取るごとにもっと繊細な所が好きになったり。
聞こえる音が変わると踊り方も全然変わる。これからの変化がすごく楽しみです。

Fig:今後海外に活動を広げる予定はないのですか?

▼去年NY行った時にベリーダンスのスタジオを回ってみたけど、凄い!という所に出会えなかった。結局、モダンバレエとコンテンポラリーのレッスンに通った。

Fig:というのは具体的にはどういう事ですか?

▼全体的にドットが荒い印象。日本人は本当に粒子が細かくて繊細な人や物が多い。私はそれに感動をする事が多いので、今感じるのは 日本のほうが全然凄いという事。
なので、海外に住みたいとか拠点を移す気は全くない。日本にいたい。
自分のアトリエも東京にあるし。

Fig:そもそも2009年に銀座に突然 アトリエ(スタジオ)を始めましたが
急すぎてちょっとびっくりした覚えがあります。

▼本当にたまたま。2008年の年末になんとなくそういう話が出て2009年の年明けに物件を探したら気に入った物件が出てきた。これはもうやるしかないと思って、半月でいきなりアトリエを持つ事に決めたの。
アトリエの話が出る前は、教えの仕事は辞めてしまおうかとも思ってた。でも、やっぱりアトリエを持つ事で教えの仕事も続けようという流れになった。

Fig:じゃぁアトリエを持つ前は教えるのは辞めてパフォーマンスだけにしようとおもっていたんですね。
ちなみに今までやってきたショーで、この時だけは自分的によかったと 思うショーってありますか?

▼全然ない。
勿論ここはよかったとか思うところはあっても、全体的には毎回ダメ出しばかり。
毎回ビデオ撮るけど、怖すぎて見られない。でも、次の舞台前にはダメ出しのために一応見る。ショックを受けるけど、ダメな所は直したいから仕方なく見る。

Fig:じゃぁ踊る時に意識する事は?

▼皆様に喜んで頂けますように。という事。
あとは、「玲瓏」(レイロウ)っていう言葉があってそれは透明で透き通っているという意味なのだけど、玲瓏に音のままに。と思っています。
そして、いつも音楽に感動して踊っている。音楽に150%依存。
音楽からのメッセージを自分なりに受け止めて、身体でやってみるだけ。
注意しているのは、踊る音楽はiphonとかヘッドホンでは聞かない事。
ヘッドホンだと、空間では聞こえない細かい音まで聞こえ過ぎてしまうから、実際にステージで聞いた時に違う音楽に聞こえてしまう。
圧縮音源(MD)やMP3音源も、音が削られちゃうから苦しい感じがする。
だからアトリエでCDかけて聞き取れる範囲の音(自然の音)で練習してメロディーだけ覚えてこの辺にこの音が流れてくるっていうのを記憶しといて、身体と合わせる。
普段の練習でも圧縮されていない音を聞いて練習するようにしている。本番と同じ音で。
そして素敵な音がなかったら踊れない。
私もメロディーやリズムになりたいと思う。
キラキラした衣裳で楽しく踊ることも素敵だけど、音楽と一緒になって存在したいという情熱の方が強い。
あとは集中する為に本番当日は絶食。いろいろやってみたけど、絶食が一番即興が出てくるみたいで身体の調子もとてもいい。

Fig:でもベリーダンスってなかなか現地の人のような感性を習得するのも難しいし、体系的にもなんだかコンプレックス感じてる人多いと思うんですけど

▼現地(エジプトやトルコ)の人とは別物と思うべき。同じにはなれない。
なので逆に日本人である素晴らしさに目を向けたほうがいいと思う。
足短くて、胸とかなくても舞台で美しく踊る事は可能だしその為のお稽古。
自分に似合うものを徹底して探せば間違いなく素晴らしくなる。

Fig:もしベリーダンサーになってなくても踊っていたと思います?

▼小さい時から三味線やったり、琵琶とかやったりとか、音楽やあとは絵とかもかやってたけど踊り以外は全部続かなかった。
きっと、どうにかして身体表現の世界にたどり着いていたと思う。
先日お亡くなりになった大野雄一さんは100歳過ぎまで踊っていた。
私は何歳まで踊れるかわからないけど、やれるだけやってみて、死ぬ間際まで踊っていたいと思う。

Fig:最後に何かお願いします

▼ダンスじゃなくてもいいから死ぬほどすきなものを見つけてそれにむけて突っ走れれば素敵な人生だと思います。そして、日本や日本人が素晴らしい事をもっと認識して欲しいと思います。

Fig:今日はお忙しい中お時間を頂きありがとうございました!

▼ありがとうございました。

インタビュー後記

私が初めて蜜月稀葵さんの踊りを見たのは5〜6年位前、まだ ダンサーネームも本名の五十嵐柾美として踊っていた時でした。
私は全く蜜月さんの事を知らなかったしましてはベリーダンスを始めたばかりで ベリーダンスどころか踊りに対しても完全に素人。
でも出演していたダンサーが全員で踊りだした途端、彼女だけが完全に飛びぬけていたが素人の私でもはっきりと分かりました。
「え、、、あのダンサーさんは誰?」その時の衝撃は今でも忘れられません。 身体の作り表現力の高さ「手の動きだけ」でも
踊りって完成しえるという事を知り、またその時の踊りの印象は今でも強烈に頭に残っています。
以前から身体マニアという話は聞いていたし、はたから見ていて
踊りに対する考え方常が一貫していてぶれない要素ってどこにあるのだろう?
今回は普段、稀葵さんが思っている事を聞けるチャンスだとすごく楽しみにしていたインタビューでした。
現に身体の話を始めると話は尽きず、気が付いたら予定時間も過ぎてしまっていたくらい 夢中になって話して下さいました。
お稽古の重要性、わかっていても中々実践できないもの。
でもこのインタビューで耳が痛いというか、身がしまる思いがしました。
そしてインタビュー後は少しづつですが、踊りに対する考えや姿勢が変わった気がします。
お忙しい中、インタビューに応じていただきありがとうございました。
ダンサーとして素敵な作品を作られること、期待し応援しております。。   荻原志帆

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